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System-100M:

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  ウンチク :

●System-100M は,それ以前に発表されていた System-100 をさらに買いやすくモジュール化したシンセである。ユーザーは自分の好きなモジュールをバラバラに買い,それを 3 ユニットか,5 ユニット用のシステム・ラックに入れてシステムを構築できるのである。最小のシステムでは 110(VCO/VCF/VCA)と 140(2ENV+LFO)と 150(リング・モジュレーター+ノイズ・ジェネレーター+サンプル&ホールド+LFO)の 3 ユニットに 190 のラック,そして 32 鍵の 180 キーボードという構成になる。

 モジュールの追加は,単純にモジュールをラックに入れてネジ止めし,後部の DIN ケーブルをつなぐだけである。DIN ケーブルからは電源の他に,CV,ゲート,トリガーがモジュールに供給される。

●大きなシステムとなると,どんなものでも可能なわけだ。たとえば冨田勲氏の System-100M は 5 モジュール 用ラック 6 台になんと 36 VCO を入れたストリングス・パート向けシステムである。

●System-100M の全体的サウンドはローの少ないキツイ音に向いている。どちらかというとノイジーなパーカッシブ・サウンドを得意としており,MOOG 系の太いベース・サウンド等にはあまり向いているとはいえない。

●110(VCO-VCF-VCA)モジュールはもっともリーズナブルなユニットである。小さなモジュールに 3 つの機能をまとめているため,それぞれのコントロール・インプットが 2 つずつしかない,VCO にシンクのイン/アウトがない,といったような制約はあるが初心者には十分楽しめるモジュールであった。ただし 110 を使っていると硬派のシンセ・ユーザーに鼻で笑われたりすることもあるのでご用心。

●112 は VCO を 2 基搭載したモジュールである。110 に比べ,コントロール・インプットが 3 つ,パルス波の幅が電圧で制御できる,シンクのイン/アウトがあるといったメリットがある。112 のシンクにはストロング/ウィークという 2 つのモードがあるが,通常音色作りに使用する場合にはストロングのモードで使用する。ストロングではシンクされた VCO のピッチはシンクする方の VCO のピッチと同じになる。ウィークは 2 つの VCO の音程をユニゾンや 5 度,オクターブ等にしたとき,2 つの音の間でビートを出さないようにすることができる(ピッチは別々だが両方の VCO の周波数が整数比関係にあるとき,シンクがかかりビートが出なくなる)。2 つの VCO の音程が整数比でない場合(2 度とか 3 度とか),ただたんにブチブチというノイズが出て音が汚くなるだけである。

●121 は 24dB/oct のローパス・フィルターが 2 基搭載されている。また,スイッチ切り替え式の小型のハイパス・フィルターもオマケでついている。

●130 は 2 基の VCA を搭載している。VCA のモードにはリニアとエクスポネンシャルが選べる。通常はリニアで使用するが,エクスポネンシャルにすると音量変化の度合いが非常に大きくなり,アタック感のあるパーカッシブなサウンドを作ることができる。もっともこのとき,エンベロープ・ジェネレーターや VCA インのツマミの調整は非常に難しくなり,熟練を要する。

 また MC-4 などでフレーズを演奏させるとき,フレーズに音量差をつけたいときなどには,2 つの VCA をシリーズに接続し(VCA 1 のアウトを VCA 2 のインに入れる),VCA 1 には MC-4 の音量コントロール電圧を,VCA 2 には通常のエンベロープ・ジェネレーターの信号をつなげて音作りをする。


●最初 191J マルチプル・ジャック・パネルは別売りで発売されていたが,ほとんどのユーザーがこれを購入したため,最初から 5U ラックに取り付け,191 に 191J をつけたラックを 191J という番号で売るようになった。


●160 のコンピューター・インターフェイス・ モジュールは,NEC のワンボード・コンピューターTK-80 向けに開発されたが(もちろん他のコンピューターにもつなげたが),そのまま一般の楽器店で売るとサポートの問題があるため,一部のコンピューターに詳しい友達関係ユーザーのみに販売することになった。もしトラブルが生じても,それが 160 のせいなのか,つないでいるコンピューターのプログラム上の問題なのかまでメーカー側でチェックすることができないと判断したからである。

 結局 160 は 30 台だけ製造された,超レア・アイテムである。もっとも今持っていても,ほとんど使い道はないだろう。


●System-100M 用モジュールは何度かに分けて発売されていったが,予定はあったが発売されなかったモジュールもある。111(VCO-VCF),120(VCF-VCA),141(2 ENV+ゲート・ディレイ+インバーター),170(F/Vコンバーター+エンベロープ・フォロワー+オーディオ・アンプ)の 4 台がそれである。


●173 のシグナル・ゲートは電圧の高低でスイッチのオン/オフができるモジュールである。これを利用すれば MC-4 などの MPX で作ったタイミング信号に合わせて急に違うエンベロープの音を作ったりすることができる。

 たとえばシグナル・ゲート 1 にディケイ・タイムの短いエンベロープを,シグナル・ゲート 2 にはディケイ・タイムの長いエンベロープ信号を接続する。そして,MC-4 の MPX アウトを 173 モジュール下のマルチプル・ジャックで 2 つに分岐し,1 つはシグナル・ゲート 1 の左側のインプット(電圧がプラスになるとスイッチ・オン),もう 1 つはシグナル・ゲート 2 の右側のインプット(電圧が 0V になるとスイッチ・オン)につなぐ。

 すると MPX の電圧が来ていない間はシグナル・ゲート 2 がスイッチ・オンとなり,ディケイの長い音が出る。しかし MPX の電圧が高くなると,シグナル・ゲート 2 はオフになり,代わってシグナル・ゲート 1 がオンになる。これでディケイの短い音を出せるというわけである。

 この 173 は特定の条件のときだけ,何かをしたい...と言った場合の,色々な応用例が考えられる。


●165 のポルタメント・コントローラーには 2 つのポルタメントが入っている。また,これらは 2 つのポルタメント・タイムをセットしておくことができ,MC-4 の MPX 信号等で特定の条件のときだけ違うポルタメント・タイムにするといったことができる。さらに CV によるポルタメント・タイムの変更も可能であり,他のシンセサイザー・コントロールのためだけにも 1 台揃えておきたいユニットである。


●172 のフェイズ・シフター+オーディオ・ディレイ+ゲート・ディレイ+LFO の,オーディオ・ディレイはフランジャーと同じように,入力に対して非常に短いディレイを加えて効果音を作り出す。またゲート・ディレイは入ってきたゲート信号を数秒(数ミリ秒)遅らせて出力に出すという機能をもっている。ゲート・ディレイは鍵盤を押してしばらくすると,いきなり VCO にエンベロープ・ジェネレーターがかかって音程がオクターブ上下する,といったような効果を作り出すことができる。

 またゲート・ディレイではオーディオ信号が入って来たときにゲート信号を出力するようにすることもできる。この場合,ディレイ・タイムの設定は 0 にしておき,スレッショルドのボリュームでオーディオ信号が入ってきたときにゲート信号が出るようなポイントを選ぶ。

 たとえばテープレコーダーによる多重録音のとき,アナログ・シーケンサー用のガイド信号(メトロノーム音)をゲート・ディレイに入れ,ガイド音が来るたびにゲート信号が出るようにする。これをアナログ・シーケンサーのステップ・インにつなぐと,メトロノームのキッコッコッコという音が出るたびに,アナログ・シーケンサーのステップは 1 つずつ進み,あらかじめセットした音列を演奏するというわけだ。

 デジタル・シーケンサーが登場する以前にはこういった涙ぐましい方法でシンセサイザー音楽が作られていたのである(デジタル・シーケンサー買うお金のない人もこうやって奮闘していたのね)。

 また,フェイズ・シフター,オーディオ・ディレイとも 1 チャンネル分しか入っていないので,172 モジュール を2台買ってステレオ・フェイズ・シフターにしたりということも可能であった。この場合には 2 台目の 172 のフェイズ・シフターの CV インに 1 台目の 172 の LFO の反転した(インバート)電圧をつなげてやると,音が左右に飛び交うわけである。

●132 のデュアル 4 チャンネル・ミキサー+ボルテージ・プロセッサーは,通常の VCO 等のオーディオ信号のミックスの他に,DC や LFO のコントロール信号のミックスにも使うことができる。

 たとえば 2 つの LFO の信号とサンプル&ホールドの信号にエンベロープ・ジェネレーターの電圧をミックスして VCO に送るなどといった,混み入ったことも可能である。また出力もノーマルと,電圧の +/- が上下逆になったインバート出力があるので,2 つの LFO の信号をミックスし,ノーマル/インバートそれぞれのアウトを 2 台の 172 のフェイズ・シフターに送ったりすると,かなり気色の悪い音像移動をするフェイズ効果が得られる。こういった手法は,通常のエフェクターではほとんど不可能に近い。


●182 のシーケンサーは 8 ステップ,または 16 ステップの音列を演奏できるアナログ・シーケンサーである。今から考えると何という音の少なさだろうと思うだろうが,昔はこれが普通だったのである。

 182 では 8 ステップの場合,チャンネル 1 と 2 から 2 種類の電圧を取り出せる。たとえば両方を VCO につなげば 2 声の演奏が,片方を VCO,もう片方を VCF につなげば 1 音ごとに音色の違うサウンドを作ることができるわけだ。

 また 16 ステップにした場合,左側の 8 個分の演奏が終わると,続けて右側の 8 個の演奏が行われる。

 面白い使い方としては,チャンネル 2 の電圧をテンポ CV インにつなげてやるというのがある。すると各ステップごとの音符の長さが色々と変わり,リズムつきの 8 ステップ・パターンが演奏できる。


●当時発売されていた,ゲート信号を指定したタイミングで出力できるようなリズムボックス(CR-78 や TR-808)のゲート信号を 182 のトリガー・インに接続してやると,リズムに合わせたベース・パターン等が演奏させられる。この場合最大で 16 音までのパターンが作れるわけだが,この 182 の CV を VCO につなぎ,さらに VCO には鍵盤からの電圧を送ってやる。すると,同じパターンが鍵盤を弾いた音程から始まり,曲にメリハリをつけることができる。この手のやりかたはドイツのグループがよく使っていた(クラフト・ワークやクラスター等)。


●ビンテージ・シンセ・ショップでも 5 モジュールの基本セットは,比較的見かける可能性の高い System-100M だが,本格的に使うにはやはり132(DC ミキサー),165(ポルタメント),173(シグナル・ゲート),182(シーケンサー)あたりのユニットも探したほうがいいだろう。じっくりと腰をすえて音作りをしたい人にはぜひ欲しい機材であろう。


外部とのインターフェイス

CV/ゲートのイン/アウト:あり

MIDI:改造は不可能

 MIDI>CV コンバーターの利用で各種コントロールが可能

 なお,このサイトに収録されている 182 は改造されており,型番が 182A になっている。どんな改造をしたかは,私も改造をした友人も忘れてしまった!