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Analog Synthesizer Lecture
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クラシック/ジャズ/ロックの音楽理論(3):

 で、クラシカルな和声学と対位法ですが、歴史的には先に対位法が出来て、その後に和声学ができたのか?とか思います。

 

 まず、この両者の根本にあるのは、

「音には倍音が含まれてる」

「倍音は凄く規則正しい周波数関係で鳴っている(打楽器を除く)」

「同時に複数の音が鳴る和音の構成音は、この倍音構造と密接に関係している」

「複数の音が鳴る和音がつながった時にも、この倍音構造とつながりの自然さは関係している」

「同様に、ある瞬間に鳴った二つの音と、そのつながりが基本になる対位法もまた、倍音関係が密接に関係して成立している」

 

 と、そんな風に考えるのが妥当ではないか?と思います。

 

 上記倍音のリンク先の解説にも書かれているように、普通人間が耳にする音(声、鳥の鳴き声、ピアノ、トランペット、バイオリン等)は鳴っている音程(基音、またはファンダメンタルという)に対して、以下の譜面に書かれているような倍音という音が含まれています(この例では低いドの音程に対する倍音が示されています)。こういった並びを倍音列と呼んでいます。


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 例えば、般若心経の CD なんかを買って、物凄く低い音程の僧侶の読経を良〜く聞いていると、物凄く高い別な音程が一緒に鳴っているのに気づきます。この高い音程が倍音です。普通の音は基音の音量が一番大きく、上の方の倍音に行くにしたがって音量が小さくなっていきます。

 般若心経の読経

 

 ただ、インド楽器のシタールなんかは、この倍音の音量が凄く多くて、基音が後になってから聞こえて来ます。シタールの音が妙にミョ〜〜〜ンという音に聞こえるのはそのためです。

 シタール入りの曲を試聴

 

 この譜面を見ると分かるように、基音のドにはミ、ソ、という倍音が含まれています。これがドミソという和音が人間の耳に自然に聞こえる理由です。

 

 このように自然の中に聞こえる音や、人間が作った楽器に含まれている音に倍音が含まれているため、必然的にその音の組み合わせは、含まれる倍音がぶつかり合わないような、聞いていて気持ちよい音程が選ばれるようになったと考えられます。このような法則性を無意識のうちに理解し、それを時間軸上の縦方向や横方向に組み合わせる事によって音楽が成立していったのでしょう。

 

 さらに、音楽ができ、それが伝承されて行く過程は人類の文化の発展とも密接に関係しているように思います。

 

 人類のスタートは、アフリカ大陸からと言われていますが、最初の音楽はリズムだけか、単純な音程の繰り返しだったと思われ、それは人類の生活と深く結びついていた事でしょう。例えば、リズムの打ち方や音程の取り方で獲物が西にいるとか、東にいるとか...そういった情報伝達に音が利用されて行くうちに、それが段々と精神的な事柄と結びつくようになり、例えば明日も獲物が穫れますように、というお祈りの言葉になったり...

 

 アフリカ大陸からスタートした人類は海を越えて中近東方面に移動した人達と、オーストラリア方面に移動した人達に分かれるようです。以前、テレビで見たのですが中近東の原始ユダヤ教の典礼の歌というのが、妙に(8世紀頃の)グレゴリオ聖歌っぽいのです。もしかすると、アフリカのお祈りの歌が紀元前の原始ユダヤ教に受けつがれ、それがメソポタミアの方向からギリシャに伝わり、そこで体系化されて後にグレゴリオ聖歌となったのではないか?と思えたりします。

 

 このアフリカ>中近東と歌いつがれた音階はギリシャで体系化され旋法となります。これらの旋法名にはフリギアとかドリアという名称が付けられていますが、この名称は中近東〜ギリシャに抜ける地区の古い地名として存在します。なので、音楽が伝承されて行く間にあれこれと影響しあって、名称や音階が成立していったのだと思います。

 

 で、それが紆余曲折あって、8世紀頃になると現在一般で言われる教会旋法(最終的に7種類になった)となります。

 

 この教会旋法は初期のギリシャの旋法と名前は同じでも全然違う音階だったりしますが、この辺は混乱するんで、ここから先に書く旋法は、あくまでシンセの音楽を中心に考えて不要な経緯等はスッ飛ばして8世紀以降に出来た旋法として説明します。

 

 なお、現在の音楽で使われる音階(スケール)は、この旋法のうち1番目のイオニアがメジャースケール(長調)に、6番目のエオリアがマイナースケール(短調)になったと言われています。

 

 まとめると、

アフリカの人類の祖先の生活の歌→

祈りの歌→

海を渡って中近東に移住→

中近東の宗教的な歌→

中近東の北西方向で地区により歌われる音階が微妙に変わっていった→

そのまま中近東から北西方向のギリシャに抜け、そこで旋法(モード)という形で体系化される

 

 蛇足ですが、古いキリスト教とか中近東やエジプトが出て来る映画ってハリウッドで作られてたんで、そういう映画で情報をインプットされてしまった日本人は、キリストもエジプト人もみんなチャールトン・ヘストンみたいな顔してたと思ってしまう人が多いわけですが実際には顔立ちだけじゃなくて、生活様式も全然違ってたわけで、それが現在の西洋音楽の基礎をなしてたってのも、なんか変な感じがしますよね。っていうか、情報が豊富な今の若い世代はそんな風には考えないか???

 

 ってな推察なわけですが、最終的に旋法ってのは教会音楽で使われるようになるわけです。1990年代に大ヒットした Enigma というグループ(?)は、この古い教会音楽であるグレゴリオ聖歌にコードとリズムをくっつけたわけです。

 Enigma の曲、気持ちいいっす



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