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初期シーケンサーを使った音楽色々2 

🔴デジタル・シーケンサーを使った音楽(MC-8 以前):

 前記の如く、デジタルシーケンサーには Roland の MC-8 以前のエディットのしにくいタイプと、それ以降のタイプがあります。まず、EMS やオーバーハイム等の MC-8 以前のデジタルシーケンサーによる音楽を紹介します。


 まず有名どころではピンクフロイドのアルバム「狂気(Dark Side of the Moon)」の「走り回って」という曲で鳴り続けるシーケンスパターンが EMS のシンセ AKS によるものだ、というのが定説です。この曲では8音から成るパターンがどんどん音色を変えながら続き、その隙間をぬって効果音が色々と出てきます。



 フュージョン系のキーボードプレイヤーとして有名なヤン・ハマーもシーケンサーを積極的に使っていました。彼が使用していたのはオーバーハイムのデジタルシーケンサー DS-2 で、3つあるパターンバンクに独特なフレーズを登録し、それを切り替えながらバッキングパターンを作っています。

 この時期、多くのシーケンサー使用アルバムは雰囲気重視でいい加減な演奏の物がほとんどでしたが、彼のアルバムでは演奏が物凄く正確でとても気持ちいいです!「First Seven Days」では2曲目の「Light / Sun」、「Like Children」では「No Fear」がシーケンサー使用曲です。

 ヤン・ハマーは東欧出身なので、独特なリズム感があるようで、曲を聴くと現在のシーケンサーを使っている人達とは全く違う個性がある事がわかります。

  



 リック・ウェイクマンの後釜として Yes に参加したキーボーディスト、パトリック・モラーツのアルバム「Story of I」の中の「Descent」ではオーバーハイムの DS-2 と思われるシーケンスが物凄い速さの演奏速度から急激にスピードダウンし、他のシーケンスとテンポが一致しつつ次の曲になだれ込むという荒技をやっています。ドラムも一緒に演奏しているし、バックにいるラテン楽器はブラジルで録音されているそうなので、一体どういう手順でレコーディングしたのか今でも謎のままです。




🔴デジタル・シーケンサーを使った音楽(MC-8 以後):

 次に、1977年に Roland が MC-8 を発売して以降のコンピューターミュージックのアルバムを紹介します。


 ドナ・サマーのヒット作「I Feel Love」は内容が過激過ぎると放送禁止になったのどうのでも話題になりましたが、サウンドはテクノポップの大御所であるジョルジオ・モロダーのプロデュースです。ここではベースのシーケンスとリズムボックスがシンクして伴奏パターンを作成しています。当時ディスコで大ヒットしました。



 上記 I Feel Love を作ったジョルジオ・モロダー本人のソロアルバム。軽快なポップスサウンドを聞かせてくれるアルバムですが、いわゆるテクノポップと呼ばれるジャンルはここから始まったと考えられるでしょう。MC-8 が発売されてすぐのアルバムですが、MC-8 の演奏に合わせて生のドラムが演奏しているので、クリックに合わせて生ドラムが演奏するという方式が確立されていたのでしょう。現在のテクノポップの原型が既に完成されていた事が分かる一枚です。



 ドイツのテクノポップアーティスト M のアルバムから「Pop Muzik」。これも MC-8 を使ったテクノサウンドとして大ヒットしました。現在でも喫茶店でかかったりする事のある名作です。また、当時流行り出したプロモーションビデオもいち早く製作し、テレビでもよく紹介されていました。

 有名曲なだけに、リミックスバージョンが多数存在しますが、シンセの研究のためにはオリジナルバージョンを聞くことをオススメします。



 日本のテクノポップの親分 YMO ではアルバム「Solid State Survivor」の「テクノポリス」や「ライディーン」があまりにも有名です。MC-8 を担当しているのはマニピュレーターの松武秀樹氏ですが、なんと私の高校の先輩です(ただし年が離れているので一緒に学校に行っていたわけではない)。

 で、このアルバムのレコーディング中、10代だった私は当時のアルファのスタジオに遊びに行ってライディーンのレコーディング見てたんですよね。途中の馬のヒズメの音を Korg の PS-3300 で作り、細野さんがこれを弾きながら「これは劇伴だ!」と盛り上がっていたのを思い出します(結局、この音は本物の効果音に差し換えられた)。



 アナログシーケンサーの方でも紹介した冨田勲氏が初めて MC-8 を使って作ったのが、アルバム「宇宙幻想」の中の「ホラ・スタッカート」。初めて使ってこのクオリティっすか?!というほど素晴らしい出来栄え!!!



 私が20歳の時に参加したアルバム「雲井時鳥国(くもいのほととぎすこく)」。生のオーケストラと MC-8 & 手弾きシンセ軍団によるライブレコーディングという豪勢な企画でした。当時、まだ珍しかったボコーダーを歌に使用したりもしています。あ、このボコーダーの試作品基板の半田付けやったのも私だった。